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高校でも学級通信を発行しよう!学級通信のメリット7選

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「学級通信」と聞くと小・中学校での取り組みのイメージが強いですよね。

実際、高校では学級通信を発行している先生方は完全に少数派です。

しかし高校においても、学級通信は学級経営を助けてくれる有力なツールです。

今回は、高校でも学級通信を発行することのメリットについて7つ紹介します!

新人先生

高校で学級通信を出してる先生は少なくて、ちょっと不安です。

きょういち

教科としての立場が強い高校では、確かに少ないかもしれないですね。
保護者向けというより「生徒に伝えたいこと」を書くと、とても便利なツールになりますよ!

この記事を読んでほしい方
  • 学級経営の一つとして学級通信を発行してみたいと考えている先生方
  • 進路指導や学級経営をうまく進めたいと考えている先生方
筆者の経歴

高校において、初任から3年間で卒業生を送り出す。

自身の準備不足による進路指導への課題を感じ、翌年1学年の担任として学級通信の発行をスタート。

それ以来、担任として学級通信を発行し続けている。

運動部主顧問を持ちながらも、働き方の効率を上げ、年間100号以上の学級通信を発行した年もある。

現在は内容の質を高めることに注力し、クラスが生徒にとって「安心・安全な場」となり、自ら進路を切り拓くための学級通信を発行している。

高校でも学級通信を発行したほうが良い

新人先生

書店に並んでる学級通信関連の本って小学校向けのものが多い気がします。

きょういち

クラス全員に授業で関われない先生もいる高校こそ、学級通信のメリットがありますよ!

理想教育財団の調査「学校教育における各種通信の実態と教育効果に関する調査研究」(208年)によれば、

小・中学校で学級通信を発行している割合は77%に上ります。

一方、高校での調査は見つけることができず、個人的な感覚となってしまいますが、高校で学級通信を発行している先生は良くて学校内で2〜3人いれば良い方ではないでしょうか。

高校は教科担任制の色が強く、「自分のクラスに行くのは朝のSHRだけ」という教科の先生もいます。

そのような状況により、学級に対する実践が手薄になってしまっているのが高校現場。

だからこそ、高校においても学級通信がより良い学級経営に一役買ってくれるのです!

生徒を対象に発行すると続けやすい

新人先生

学級通信って保護者向けに書くイメージがあります。

きょう1

高校では生徒向けがおすすめ!プラスαくらいの感覚で保護者にも読んでもらうのがちょうどいいと思っています。

小学校は、最初の学校ということもあり、保護者に学校の様子を伝える事が重要です。

その手段として、連絡帳や学級通信があるのだと思います。

もちろん児童向けに、学校の予定や準備物を知らせるために学級通信を発行することもあるでしょうが、その背景には保護者へのお知らせの意味合いが強いのではないでしょうか。

 

私自身が高校教員として発行する学級通信は、完全に生徒向けのものです。

高校生にもなれば、自分のことは自分で行うわけですから、保護者あての目線で書く必要はありません。

生徒が学校生活や進路選択をより良く進めることができるよう、「情報提供の場」として学級通信を発行しているのです。

また、小学校の現場で時々耳にするのは、「クラスの児童全員の成果物やコメントを載せないと不公平が出て・・・」なんで話です。

生徒を対象にしていれば、そのような気遣いは一切入りません。

あくまで生徒のために学級通信を発行することで、プレッシャーなく発行を続けることができます。

高校における学級通信のメリット7選

新人先生

では実際、高校での学級通信にはどのようなメリットがあるのですか?

きょういち

大きく分けて「学級通信自体のメリット」「学級経営としてのメリット」「教員自身のメリット」の3つで、それぞれ以下の通りです。

◇学級通信という手段のメリット

  • 情報を文章で提供できる
  • 生徒に時間を返す事ができる

◇学級経営へのメリット

  • クラスを安心・安全な場にすることができる
  • 適切な進路情報を伝えることができる
  • 保護者にも情報提供として喜ばれる

◇教員自身のメリット

  • 文章力、説明力がつく
  • 情報提供のために学ぶ習慣がつく

以下、順番に紹介をします。

① 情報を文章で提供できる

まずは、学級通信という手段のメリットです。

高校では、

  • 行事や総合・LHR、補習、模試、独自の休暇などの日程
  • 事務関係書類、申込書などの学級内での提出物
  • 大学進学をはじめとする進路情報
  • 主体的に学習を進めるため学習方法
  • 選挙権や成人年齢引き下げなどの社会の一員としての指導

など、伝えなければならないことが山のようにあります。

教科指導の関わりが強い高校では、担任しているクラスの全員を授業で見ることができなかったり、中には授業が一切ない教科の先生もいたりします。

そうすると、普段クラスの生徒と関わるのは、朝や放課後のSHRのみです。

 

そのような状況で、上記のような膨大な量の情報をSHRの口頭のみで伝えるには限界があります。

また中には、情報を得る際に読むことが苦手な生徒もいれば、聞き取ることが苦手な生徒もいます。

生徒の理解を助けるためにも、口頭+文章の形で情報を提供することが良いのです。

そうすることで、提出期限や必要事項を把握しやすくなるのです。

 

また、進路情報などは、言葉だけでは伝えられないことも多いです。

そもそも情報量が多く、データを見せて説明しなければならないこともあります。

そのような時にも、学級通信を用いれば簡単に情報を伝えられますし、生徒も自分のペースでじっくりと確認をすることができるのです。

② 生徒に時間を返す事ができる

生徒の毎日は意外と忙しいものです。

高校は科目数が多いため、授業準備も大変です。

そのような時、朝のSHRで長々と連絡事項を伝えたり、自分の想いを延々と伝えてしまうのは逆効果です。

生徒の注意はこちらにありませんから、伝えたいことが伝わりません。

そして、長いSHRに嫌気が差して、信頼も失ってしまうでしょう。

さらに、1限の授業に影響すれば、他の先生にも迷惑をかけることになります。

だからと言って、逆に一瞬でSHRが終わるのもNG。

伝えるべきことが伝わっておらず、生徒が被害を受けるのも信頼を失う要因の一つです。

 

そこで、学級通信を活用するのです。

普段の簡単な連絡は「Google Classroomm」などのICTツールを用いて時間短縮します。

その上で、繰り返し見るであろう連絡事項や伝えたい想いなどは、学級通信として配信します。

前日までに配付物のBOXに入れておけば、係の生徒が朝には配ってくれるので、生徒は余裕を持って目を通すことができます。

SHRの連絡では、口頭で言わなければならない最重要なものと、学級通信を読んでいない生徒のために、読んでおいてほしいところを簡単に伝えれば良いのです。

もちろん、時には教員が生徒に向けて想いを語る場面も必要です。

しかし、それは忙しい朝ではなく、ゆとりのあるLHRの時間などに行えば良いのです。

 

また、余談ですが、Google Classroom等を活用しているのであれば、学級通信をデジタル媒体でも配信すると、紙をなくしても見返すことができますし、カラー版でも見ることができますよ。

新人先生

通信を使えば、スムーズに連絡事項が伝わり、お互いに時間が生まれそうです。

きょういち

その通りです!

次は「学級経営の手助け」となるメリットについて見ていきましょう。

③ 適切な進路情報を伝えることができる

まずは、適切な進路情報を伝えるということ。

これが、私自身が学級通信を始めようと思ったきっかけであり、一番重きを置いている部分でもあります。

 

先に挙げた通り、毎日忙しい生徒に時間を返しながら、その上で教師として伝えたいことを伝えることが学級通信の目的の一つです。

しかし、内容が薄ければ生徒は読みません。

ポイントは、生徒が本当に必要だと思えるような内容を心がけること。

学級通信は、教員が勝手に発行しているものですから、強制して読ませるものではありませんよね。

生徒が自然に読みたいと思える内容であれば、当たり前に読んでくれるようになります。

中には、ファイリングをして1年間大切に保管をしてくれる生徒もいます。

 

世の中には情報が溢れています。

そのような現代では、正しい情報の取りに行き方を生徒に教える必要があります。

しかし、関心が高まっていないうちは、自身で質の高い情報を見つけられない生徒もいます。

だからこそ、タイミングに応じて生徒の進路意識を刺激するような情報を提供していくことが必要だと考えています。

大学入試や就職などは初めての経験であるため、中にはどのような情報を入手すればよいか見当がつかない生徒もいます。

学級通信は、そのような生徒に自身でもっと調べてみようというきっかけを作ることができるのです。

 

また、生徒に進路情報がしっかり入っていれば、クラス全員に同じ進路指導を繰り返し行う必要もなくなります。

例えば、入試科目一覧表などは見方が分からないという生徒が意外と多いですよね。

このような指導は、学級通信で補っておくことで大部分を省くことができます。

その分、生徒の悩みを聞いたり具体的な進路先を考えたりする対面の進路指導により多くの力と時間を注ぐことができるのです。

 

その他にも、進路情報のみでなく、効果的な学習法や進路に関わるニュースなど発信できる内容は無数にあります。

適切な情報を紹介し、生徒自身の情報収集の目を鍛えてあげることで、最終的に生徒が自身の将来に向かって自走していくことが目標です。

④ 「クラスを安心・安全な場にすることができる」

次はクラスの雰囲気作りです。

私の学級経営の目標は、「互いが認め合い、緩やかに協働することで、各自が安心して学びを深めることができる場とすること」です。

そのためには、クラスが「安心・安全の場」となることが重要だと考えます。

その手立ての一つとして、学級通信を用いています。

例えば、学級開きではクラスメイトの名前と座席を配付することで、素早く協働学習を行える環境づくりをします。

他にも、連絡事項がきちんと伝わっている、行事の過程や生徒の良かったところ紹介する、担任としての想いを伝えるなど、クラスに関わる様々な内容を取り上げます。

そうすることで、落ち着いたクラスとなり、それぞれが安心して学びに向かう雰囲気が出来上がります。

⑤ 保護者にも情報提供として喜ばれる

基本的に生徒向けに発行する学級通信ですが、年度初めには保護者にも是非目を通してほしいと伝えます。

生徒向けであることを伝えてあるので、保護者に気を遣うような内容を書く必要はなく、負担はありません。

進路情報に関しては、初めてのお子さんの場合は重宝するようで、面談の際に目を通してくれていることを伝えていただくことも多いです。

また、保護者が参加する行事の少ない高校ですから、学校の様子などが分かるのも良いそうです。

あくま生徒向けですが、保護者にも目を通してもらうことで、

  • 学校への信頼
  • 自身の文章作成に対する注意

などメリットがありますね。

生徒からの信頼が保護者の信頼を生み、保護者からの信頼が生徒からの信頼を生みます。

両方に働きかける学級通信は、学級経営において大変役立つツールなのです。

新人先生

情報発信をすることで生徒や保護者との信頼関係を築き、それが「生徒が安心して学ぶ環境」を作るのですね!

きょういち

ここが学級通信のコアとなる部分ですね!

最後は、副産物のようなものですが、学級通信による教員自身のメリット2つを紹介しておきます!

⑥ 文章力、説明力がつく

教員は、様々な文書作成があります。

高校になれば、外部の教育機関と連携をしたり、研究費の応募をしたりと外部向けの文書作成も多くあります。

そのような際に、文章を次々と書くことができたり、図や表などの配置などのデザイン力を高めることで分かりやすく伝えたりすることは大切なスキルです。

そして、高校生はもう大人ですから、学級通信は大人の文章で書きます。

したがって、日頃から学級通信を書くことが、文章力や説明力向上につながるのです。

⑦ 情報提供のために学ぶ習慣がつく

そして、生徒に適切な情報提供をするためには、教員が適切な情報収集を行うということです。

大学進学に向けた進路情報は、年々変わります。

また、新しい学びの形や探究的な視点も取り入れる必要があります。

さらに、学校教育に直接関係なくとも、生徒の将来を考えれば様々なジャンルの情報を手に入れることも重要です。

そのような情報を収集し学級通信を書くためには、日頃から書籍を読んだり、多様な経験を積んだりすることで、教師としての知識やスキルをアップデートしていくことが必要なのです。

学ぶことを止めた教員は、生徒に学ぶことの意義を伝えることはできないでしょう。

日々変わりゆく社会や教育に関心を持ち、学び続ける教員でいるために、学級通信は背中を押してくれる一つのきっかけになります。

まとめ:学級通信を楽しく発行し、効果的に活用しよう

今回は、小・中学校での実践のイメージが強い「学級通信」について、高校でも発行すべきメリットについて紹介しました。

それは、

  1. 情報を文章で提供できる
  2. 生徒に時間を返す事ができる
  3. クラスを安心・安全な場にすることができる
  4. 適切な進路情報を伝えることができる
  5. 保護者にも情報提供として喜ばれる
  6. 文章力、説明力がつく
  7. 情報提供のために学ぶ習慣がつく

の7つです。

高校では、

  • 多くの連絡事項がある
  • 授業・補習・課外活動、通学時間の増加など生徒が忙しい
  • 担任がクラスで想いを伝える場面が少ない
  • 知っておくべき進路情報や学習情報が多い
  • 保護者が学校の様子を知る機会が少ない
  • 外部へ提出する文書が多い
  • 小・中と比べ研修の機会が少なく、専門教科の意識が強いため、幅広く情報を得て学び続くける環境がない

などの現状や課題があります。

学級通信は、そのような課題を解決するための手段の一つになるでしょう。

 

さらに、

  • 時間を効率よく使うことで「生徒と向き合う時間」を増やす
  • 生徒と保護者との信頼関係を作る
  • 教師としての資質・能力の向上のために学び続ける

などのきっかけにもなってくれるはずです。

 

初めは、業務が忙しい中での発行に抵抗があるかもしれません。

しかし、慣れると文章作成の速さも上がりますし、以前作成した通信のアップデートで済みます。

通信のメリットを活かし、余計な業務が減る分むしろ生産性の高い仕事に取り組めるようになります。

小・中学校では、周りの教員に合わせて学級通信を発行し、業務負担を感じる先生がいることが問題となっている学校もあるようです。

学級通信は、必ずしも発行しなければいけないものではありません。

今回紹介したメリットを踏まえ、自分自身も学びを深めながら、学級通信を通して学級経営を進めてみたいという方は、ぜひ今年度からトライしてみてください!

楽しみにながら学級通信を発行していきましょう!

 

この記事を読んでいただいた方は、下記の「学級通信の基本ネタ5選」を合わせてお読みいただくと、より学級通信発行のヒントになります。

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