
そんなときは、Wordの差し込み機能を使ってみましょう!
Wordの「差し込み文書」機能を使ったことはありますか?
差し込み文書とは、同じ形式の文書を大量に作成する際に、一部の情報を差し替える機能のことです。
たとえば、生徒へのコメントをWordの雛形に貼り付けて印刷するとき、こんな経験はありませんか?
- Excelではデータの入力は簡単だけど、見た目を整えるのが難しい
- Wordで一つひとつ手作業で文書を作るのは大変
そんなときに役立つのが「差し込み印刷」です。
Excelで作成したデータをWordに自動で差し込み、一括で印刷・PDF化できます。
今回の記事では、教育現場での活用シーンと具体的な手順を、パソコンが苦手な方にもわかりやすく解説します。

差し込み文書をマスターすれば、業務効率がぐっと高まりますよ!
※画像はMacのものですが、Windowsでも基本的な操作は同じです。
高校の数学教員として10年以上授業を行っています。
ただ学習内容を教えるのではなく、「学び方を教える」をモットーに授業作りをしています。
ICTスキルを高めることで業務の効率化・システム化を図り、生徒と向き合う時間を増やしています。
目次
学校現場で使える場面は?

まずは、教育現場で差し込み文書がどんな場面で役立つのか、5つの例を紹介します!
生徒へのフィードバックコメント
通知表以外でも、授業や探究活動などで日々の取組を評価しコメントする機会がありますよね。
「よかった点」や「さらに伸ばしたい点」などを個別に伝えるには、Excelでコメントを整理し、Wordに差し込むのがおすすめです。
Excelでは「生徒名」「テーマ」「調査方法」などの情報を一覧管理でき、Word側で体裁を整えてきれいに出力できます。
検定合格証の作成
英単語テストや検定などで表彰状を作る際にも便利です。
Excelで合格者リストを作り、Wordでデザインした証書に名前を差し込めば、個別の合格証を自動で作成できます。
外部連携や案内文での差し込み
探究活動などで企業や大学に依頼文を送る際、宛名を「関係者各位」とするよりも、具体的な企業名を入れた方が丁寧です。
Excelで「企業名」「担当者」「生徒名」「日程」などを一覧化しておけば、Wordで一括差し込みが可能です。
感想文の提供
職場体験や講演会後に、生徒の感想をまとめて相手先へ送るときにも差し込み機能が使えます。
Googleフォームなどで集めたデータをExcelにまとめ、講師名や事業所名ごとに差し込み印刷をすれば、簡単にお礼の文書を作成できます。
卒業用のメッセージカード
卒業時、一人ひとりにメッセージを渡したいけれど時間がない。
そのようなときにも活用できます。
もちろん手書きで書くのが一番気持ちが伝わると思いますが、なかなか時間的に難しいことも多いでしょう。
そこでExcelにメッセージをまとめ、Wordで作成した台紙に差し込めば、短時間で温かみのあるカードを作成できます。
「時間がないけど、新たな一歩を踏み出す生徒へコメントを贈りたい」という先生におすすめです。

教育現場でも使えそうな場面がたくさんありますね!
差し込み印刷の基本手順

ここからは、実際の操作方法を紹介します。今回は「探究活動のインタビュー依頼文書」を例に進めます。
Excelでデータを作成する
まずデータをExcelに入力します。

↑1行目は、列名(インタビュー先、目的、名前など)を設定します。
データはGoogleフォームなどで生徒が入力したものを貼り付ければ簡単です。
Wordで文書を作成し、差し込みフィールドを配置する

↑Wordで文書雛形を作成します。

↑タブから「差し込み文書」→「宛先の選択」をクリックします。

↑「既存リストを使用」を選択し、上記で作成たExcelを読み込みます。

↑差し込むシートを選択します。

↑データを差し込みたい部分にカーソルを合わせ「差し込みフィールドの挿入」をクリックし、挿入したいデータの列名を選択します。

↑データが挿入されました。

↑必要な場所すべてにフィールドを挿入します。
プレビューで確認する

↑「プレビュー結果」からすべてのデータがうまく挿入されているか確認します。


↑数字を次に進めると、Excelデータにしたがって次々とデータが移り変わります。

長い文章を挿入するときは、バランスが悪いので「テキストボックス」を使用しましょう!

↑Wordの文章部分に直接差し込みフィールドを配置をするとバランスが悪くなることがあります。

↑テキストボックスを挿入します。

↑テキストボックスの中に、差し込みフィールドを挿入します。

↑上手くバランスを取って挿入ができました。
印刷 または PDF化する

↑差し込み範囲から印刷の設定します。

↑「Excelで作成したデータすべて」「表示されているデータのみ」「番号指定」ができます。

↑「完了と差し込み」から印刷に進みます。

↑PDF保存する場合にはPDFを選択します。
Windowsの場合はプリンタの選択から、「Microsoft Print to PDF」などのPDF仮想プリンターを選んで印刷操作を進めます。
まとめ:業務効率を図り、教育をもっと楽しもう!
今回は、Word+Excelを活用した「差し込み文書」の利用について紹介しました。
Wordの差し込み印刷は、単なる時短ツールではなく、教員の「考える時間」を増やすことができるツールです。
同じフォーマットで作る書類を自動化することで、空いた時間を「より良いフィードバック」「授業改善」「生徒理解」に充てることができます。
はじめは操作に慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。
しかし、一度テンプレートを作ってしまえば、次年度以降はExcelのデータを差し替えるだけで、すぐに活用できます。
授業のコメント返却、外部連携の案内、卒業メッセージ、賞状作成などなど──。
さまざまな業務を「自動化」しながらも、「個別対応」を保てるのが、この機能の大きな魅力です。
差し込み印刷で、「作業時間」を減らし、「生徒と向き合う時間」を増やしていきましょう!

今回の記事が先生方のより良い教育活動の手助けとなれば嬉しいです。
▼今回の記事に興味を持ってくださった方は、こちらの記事もどうぞ!
同じ様式の文書に、生徒へのコメントや名前を入れたいのですが、一つずつ作成するのって大変ですよね。