
毎年同じ仕事をしているはずなのに、なぜか毎年大変なんですよね…。

それは「仕事」の捉え方が、少しズレているのかもしれません。
近年、教員の業務効率化や校務の引き継ぎの重要性が強く求められています。
「毎年同じ行事を行っているのに、なぜか準備はいつも大変。」
「資料は残っているはずなのに、どこにあるのか分からない。」
「引き継ぎをしたはずなのに、結局一からやり直してしまう。」
学校現場で働いていると、こうした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
忙しさの原因は、仕事量そのものではなく、「仕事が積み上がらない構造」にあるのかもしれません。
今回の記事では、「仕事とは何か」という定義を見直しながら、次年度の業務を楽にするための考え方として、教育活動のデータベース化という方法を紹介します。

今年の仕事を、来年の自分や次の担当者を助ける「学校の資産」にしていきましょう。
高校の数学教員として10年以上教壇に立っています。
ただ学習内容を教えるのではなく、「学び方を教える」をモットーに授業作りをしています。
ICT活用による業務の効率化・システム化を図り、生徒と向き合う時間を最大化することを意識しています。
目次
教員の仕事は、なぜ毎年しんどいのか
学校現場では、以下のような状況が当たり前になっています。
多くの先生が「忙しい」「時間が足りない」と感じていますが、その原因は仕事量そのものよりも、仕事の積み上がらなさにあります。
教員の仕事は「個業」になりやすく、毎年その場しのぎで完結してしまいがちです。

そこで、自身の仕事を学校の資産にしていくための考え方について紹介していきます!
仕事とは何かを、あらためて定義する
ここで一度、仕事の定義を見直してみます。
仕事とは、次年度に同じことを、今年よりも少ない労力で行える状態にすること。
これが私自身が考える仕事の定義の一つです。
- 一生懸命ファイルを作った
- 何とか行事を終えた
- 会議で新しい教育活動を提案した
もちろん、いずれも素晴らしいことです。
しかし、もし今年やったことを来年も一から行うのであれば、それは「作業」であって「仕事」にはなっていません。
そこまで含めて、初めて仕事が完了したと言えます。
「作業」から「仕事」に変えるために
ファイルだけでなく、仕事の手順を残す
多くの学校では、サーバーやクラウドを活用して資料を保存しています。
しかし、それでも業務が楽にならないのはなぜでしょうか。
その理由は、「ファイルの場所が明確でないこと」「ファイルは残っていても、仕事の進み方が残っていないこと」です。
例えば行事の資料があっても、
- いつ着手するのか
- どこから始めるのか
- 何をもって完了なのか
が分からなければ、結局また一から考えることになります。
つまり、必要なのはファイル管理+仕事の進行管理です。
解決策は、仕事の「ファイル+概要+時期」をデータベース化する
そこで提案したいのが、「ファイルの場所」「概要」「時期」をデータベース化することです。

自身の立ち上げたプロジェクトは、データベース化して誰でも取り組めるようにしています。
0から1をつくる仕事は、大変な労力です。
そこで、データベース化することで、前年通りに行ったり、内容を見直す余裕ができたりします。
ここでいうデータベースとは、難しいシステムや特別なツールのことではありません。
Excel や Google スプレッドシートで十分です。
大切なのは、「一覧で見える」ことです。
教育活動データベースに入れるべき最低限の項目
まず、データベースは、以下のように教育活動ごとに作成します。
などです。
これは、一つのプロジェクトごとに作成することで、データベースが大きくなりすぎず、一人の先生の仕事に対して流れが分かりやすくなるからです。
また仕事をデータベース化する際は、次の情報をセットで管理します。
上記の5点が揃うと、仕事は誰でも再現可能になります。
以下はサンプル画像です。

※図はイメージです。服務規律の観点から、かなり簡略化しています。
この表を見るだけで、「いつ」「何を」「どのファイルを使って」「どこまでやるのか」が一目で分かります。
データベースはファイル階層ごとに整理することで、ファイル場所が分かりやすくなります。
▼フォルダの階層ルールについては、こちらの記事でも紹介しています。
また、ファイルはクラウドで管理をしていれば、ワンクリックで資料にアクセスできて便利です。
▼クラウドでの仕事の進め方は、こちらの記事でも紹介しています。
データベース化は「個業」を否定しているわけではない

基本業務は素早く行いながらも、自分なりの「よりよい」を加えていくことも大切です。
紹介したデータベース化は、教員の個性や裁量を奪うものではありません。
- 昨年からの改善点
- 教材のアレンジ
- 業務の削減・追加
など、これらは、その年度の担当者の裁量にあります。
ただし、
だけは、共通の形で残しましょう。
これによって、個業のよさを残しつつ、組織として仕事が積み上げていく状態が生まれます。

雑務は労力を最小限に、自分の工夫で面白さを出すところは業務を楽しむ。
その視点が大切ですね!

まさに、その姿勢が疲労感をなくすポイントです!
まとめ:仕事とは「未来を助ける仕組み」を残すこと
今回の記事では、「仕事の定義を考え直す」をキーワードに、次年度への引き継ぎデータベース作成について紹介をしてきました。
教員の仕事は多忙です。
だからこそ、「今年の自分の業務を終わらせる」だけで精一杯になります。
しかし一歩踏み込んで、
- 業務内容
- ファイル保管場所
- 実施時期
- 完了条件
をセットで残すことで次年度以降の仕事は確実に軽くなります。
これは、次年度の担当者のためでもあり、引き続き自分が業務をする時の備忘録にもなります。
仕事とは、次年度に同じことを、より少ない労力でできる状態を作ること
仕事とは、資料を残すことではなく、「迷わず動ける状態」を残すことです。
それができると、学校の仕事は確実に楽になります。
まずは「文化祭」「体育祭」「入試資料」「探究学習」など、自分の受け持つプロジェクトを一つデータベース化してみましょう。

今回の記事が、皆さんの学校の更なる発展につながれば嬉しいです。
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